今回は、“顎関節症”についてです。

●顎関節学会の分類

【Ⅰ型】

咀嚼筋障害を主微候とし、その病理は筋緊張と金スパズムと筋炎。
顎関節部の運動痛と運動障害を僅かに生じることがあり筋痛を強く生ずる。

【Ⅱ型】

関節包・関節靭帯・円板後部組織の慢性外傷性病変を主微候とし、顎関節部の運動痛と
圧痛を強く生じ、関節雑音を生ずる。
筋痛は弱い。関節鏡下で病変を認める。

【Ⅲ型】

関節円板の転位や変性・穿孔・線維化を主張候とする。
クリッキングと呼ばれる関節雑音が顕著である。
筋痛はなく、顎関節部の疼痛は弱い。

・Ⅲ型a

  復位性関節円板転位;関節円板の位置関係が復位する時に関節雑音(クリック音)が確認できる。

・Ⅲ型b

  非復位性関節円板転位;関節円板の位置が復位しない。
  ひっかりのため開口障害や顎関節の疼痛がおこる。

【Ⅳ型】

変形性関節症。
関節軟骨の破壊、下顎窩や下顎頭の骨吸収や変性・添加、関節円板や滑膜の
変形変異などの退行性病変を主張候とし、クレピタス音と呼ばれる関節雑音が顕著である。
X線所見上も大きな異常を認めるようになる。

【Ⅴ型】

上記のⅠ~Ⅳ型のいずれにも該当しないが、顎関節領域に異常症状を訴える
心身医学的な要素を含むもの。