痔には色々なタイプがあります。
ですから、痔のそれぞれのタイプについて学んでおくと
痔の予防ができますし、痔になったときの適切な対処ができます。
● 切れ痔
裂肛(れっこう)とも呼ばれる、切れ痔。
便秘によって便が固くなり、排便の際に便が肛門を傷つけることで起きます。
「切れる」という名前から出血を連想しやすいのですが、
いぼ痔に比べると出血は少ないほうなんです。
出血は少なくても、傷が出来るのですから排便時に刺激を受け痛みが起きます。
もし、切れ痔にも関わらず出血量が多い場合は、
他の病気の可能性も考えられます。
● いぼ痔
痔といって多くの割合を占めるのが、この「いぼ痔」なんです。
まさに名前の通り患部がいぼ状に腫れ、肛門の内側、外側とを問わず発症し、
排泄時の痛みや出血を伴います。
肛門の内側にも外側にもいぼができた状態を混合痔と呼び、
外痔と内痔別に処置が必要となることが多いです。
内側に出来たいぼ痔が肥大化すると、肛門の外側に露出したまま
戻らない肛門脱という症状が出ることもあります。
いぼ痔の原因としては、いきみすぎることや、肛門の血行障害が挙げられます。
便秘改善や肛門を冷やさないことによって、予防することができる痔です。
● 痔瘻
蓮痔とも呼ばれ、肛門が化膿して穴が開くタイプの痔です。
下痢が肛門内に残留することなどにより発生する痔で、
肛門の感染症のようなものと考えて良いでしょう。
痔瘻になってできた穴を瘻管といい、ここから膿が排出され、
下着を汚したり悪臭を放ったりします。
痛みもあり、完治には病院での治療が必要となります。
放置すると命にかかわることもあるので、他の痔もそうですが、
絶対に放置だけは避けるようにしましょう。
上記のように、痔には様々な症状がありますが、
その症状によって適切な薬での治療が重要になってきます。
痔の薬にも様々な種類があり、大きく分けて3タイプのものがあります。
● 外用薬
外用薬は、軟膏やクリームなど、患部に直接塗ることで
高い効果を発揮するものが多いです。
また、患部に塗る以外にも肛門内に注入するタイプのものもあり、
いずれにしても高い効果を発揮します。
特に、肛門外や肛門周辺の痔に対して有効とされています。
● 内服薬
飲み薬タイプの薬は、即効性の面で劣るという欠点があり、
特に市販のものは他のタイプの薬と比べて効果が薄めになりがちです。
しかし、内痔核にも外痔核にも万遍なく効果が行き渡るので、
広い範囲に痔の症状があって辛いという際には便利です。
● 坐薬
坐薬とは、肛門内に直接注入して使用するタイプの薬です。
肛門内に挿入する必要があるのちょっと使いにくいですが、
肛門内部に出来た内痔核に対して高い効果を発揮してくれます。
ただ、当然ながら外痔核や肛門にある痔には効果があまりないので、
薬局などで購入する際には、自分に痔に効果が無い物を買わないように注意しましょう。
よく勘違いされがちですが、痔に使われる薬は
痔の症状を和らげるものであって、痔を根本から治す薬ではありません。
そもそも、痔は生活習慣によるものであるケースが多いので、
生活習慣を治さない限りは再発します。
ですので、痔の治療は薬で症状を抑えつつ、
生活習慣を改善していくというものになります。
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