子宮筋腫の治療方法の一つに、ホルモン療法があります。

婦人科疾患は女性ホルモンが関係しているものが多く、
適切なホルモン剤を投与することで治療が可能、といわれています。

ホルモン剤やホルモン療法の種類は多く、また作用に個人差がありますので、
その人に合ったホルモン療法を選択する事が大切です。

●主なホルモン療法の種類とは?

ホルモン療法には、「偽閉経療法」と「ミレーナ」というものがあります。

偽閉経療法は、注射と点鼻薬があります。
リュープリンやスプレキュアと呼ばれるホルモン剤が使用されます。

注射の場合は月1回で、治療は6ヶ月が1クールとなっており、
6ヶ月の治療後は4~6ヶ月ホルモン剤の投与を停止します。

子宮内膜に接している粘膜下筋腫では、使用中に大量出血する可能性があるので
この手法を用いるのは止めたほうがいいでしょう。

閉経間際の場合は、閉経を早め手術を回避する事もあります。

筋腫核出術をする前に、術中出血の減少を図るために投与する、という
使い方をするケースもあります。

副作用として、更年期障害・骨粗しょう症などがあります。

ミレーナは、黄体ホルモンを子宮の中に持続的に放出する
子宮リングを装着する治療方法です。

子宮内膜の増殖を抑え、内膜がうすくなり、月経量は減少し、
月経痛も改善されます。

子宮内膜のみに作用するので、全身への影響が少なく、
排卵も維持されますので、更年期症状は出現しないそうです。

子宮内リングは、月経開始後7日以内に挿入します。
装着後はそのまま帰宅できます。

1回の治療で、最長5年間有効ですが、年に2~3回の検診が必要のようです。

リュープリンは、性腺刺激ホルモンの分泌を抑制する、注射薬です。

体内に入ると主成分であるリュープロレリンは、4週間にわたってゆっくり分解され、
その間一定の濃度に維持されます。

リュープロレリンは当初、避妊薬や不妊症治療薬として開発が計画されましたが、
ホルモン分泌を抑制する効果が判明し、
ホルモン依存症のガンの治療薬として研究が進んでいます。

日本では1992年に前立腺ガンの治療薬として承認され、
その後、閉経前乳ガン、ガン以外では子宮筋腫や子宮内膜症などの
治療薬として追加承認されています。

子宮筋腫では、筋腫核の縮小及び症状の改善などに使用されます。

スプレキュアは、薬品としての一般名はブセレリンという、点鼻薬です。

下垂体-性腺系機能抑制作用があり、鼻腔内に噴霧後
1~2週間で性ホルモンの分泌を抑え始め、
以降使用を継続することで性ホルモンの分泌を抑え、筋腫の成長を抑えます。