痔を患っている方の中には、女性も多くいらっしゃいます。
特に女性の場合、妊娠中に痔を患うケースが非常に多くみられるのが特徴です。

妊娠中は子宮がふくらむため、腸の周囲の血管が圧迫されて血流が悪くなりがちになります。
特に妊娠後期になると胎児の体重が一気に増えてきますので、
肛門がうっ血して痔核ができやすくなってしまいます。

■　いぼ痔と切れ痔、どちらの可能性も

調査によると、妊娠中・産後の女性の約半数に痔の何らかの症状がある、と報告されています。

特に妊娠後期から臨月にかけて胎児が成長することに伴って出来る場合と、
出産時のいきみによっても発症する場合があります。

もっとも多い痔は、いぼ痔です。
妊婦さんの場合は外痔核の方が多くみられます。

妊娠中はおなかに圧がかかることと、
便秘になりやすいことが主な原因です。

次に多いのが切れ痔です。

出産時のいきみや、妊娠中・産後の便秘で
切れやすくなってしまいます。

分娩中は赤ちゃんを出すことに必死ですので、
なかなか気づきませんが、終わった後で肛門周辺に
痛みを感じる人は非常に多いようです。

■　妊娠中の痔を防ぐために

妊娠中・産後の痔を防ぐためには、
何と言っても便秘対策が重要です。

妊娠すると、ホルモンが急激に変化したり、
また子宮で腸が圧迫されることで便秘になりやすい女性が多いんです。

産後も縫合した傷が気になってなかなかいきめず、
排便が困難になることがあります。

妊娠中は食物繊維や水分をたっぷりとり、
体調が良ければマタニティスイミングやヨガなどで運動することも、
便秘対策には効果的です。

どうしても便が出ない場合は、健診時以外であっても受診して、
妊娠中にも使える便秘薬を処方してもらいましょう。

また、下半身を常にに温めておくようにすることも大切。
妊娠中は血流が悪くなって冷えやすいため、
夏でも湯船につかるなど、冷え対策を取るようにしましょう。

お尻を清潔に保つことを徹底しましょう。
特に痔の症状が少しでもあれば、トイレットペーパーをなるべく使わず
温水洗浄便座などで洗い流すのが一番です。

温水が出ないトイレの場合は、排便後にシャワーを使ったり、
赤ちゃん用のおしりふきなどの柔らかいものできれいにふき取り、
お尻を清潔に保つようにしましょう。

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