今回は、五十肩の検査方法について書いてみます。

●運動機能検査

「五十肩」だと診断されたら、
まずは肩関節の動きを調べるために腕を動かす検査をします。

計測は、
・前(屈曲)
・横(外転)
・後(伸展)
・外(外施)
・内(内施)
の5方向で行ない、その稼働する角度をきちんと記録します。
この記録は、診察の基本になる重要なものです。

●画像検査

X線写真は必ず撮ります。
五十肩による肩の異常は、X線写真に写るわけではありません。
しかし、肩の痛みが五十肩以外に原因がないかどうかを
調べるために重要な検査なんです。

最近ではMRI(磁気共鳴画像)検査が使われることもありますし、
超音波による検査をすることもあります。

●局所麻酔薬の注射

医師によっては、治療の中で良く使われる局所麻酔薬を
診断のために使うことがあります。
炎症を起こしている場所の見当をつけて注射し、痛みの状態を確認します。
もし痛みが取れるようであれば、その場所で炎症を起こしてると考えられます。
五十肩は、いろいろな場所が痛みの引き金になることが多いので、
詳細な場所を特定することは有用です。

●鑑別診断

医師による検査結果をもとに、
「鑑別診断」が行なわれます。

50歳代によく起こる病気の中には、
五十肩と症状の似ている、紛らわしい病気が多いからです。

特に、肩に痛みが走るような病気や
痛みなどの症状が似ている病気があるので、
様々な検査結果から五十肩かどうかを診断していくんです。

肩の炎症だけで癒着が起きない病気でも、
診断法や治療法は五十肩とほぼ変わらないので、
自分が五十肩だったと誤解する患者さんもいます。

「五十肩になったけれど、1ヶ月ですっかり治った」

というような場合は、おそらく五十肩ではないでしょう。