五十肩には、様々な治療法があります。

まずは 「消炎鎮痛薬」

●消炎鎮痛薬

五十肩の痛みと炎症を抑えるためには、
非ステロイド性消炎鎮痛薬やステロイド薬
(副腎皮質ステロイドホルモン)を投薬します。

薬の種類には内服薬・ 外服薬 ・ 座薬があります。

※内服薬・・・1日3回、食後に薬を飲みます。

※外服薬・・・湿布薬 ・ 粘着テープ薬・ 軟膏などを患部に貼ります。
       最低1日1回は貼り替えます。

※座薬・・・・痛みが激しい場合は、座薬を使用します。
      食前食後など投与時間に制限が無いため、いつでも投薬することができ、
      約30分後には効果があらわれます。

・消炎鎮痛薬の副作用

消炎鎮痛薬には、胃腸障害が起こるという副作用があるため、
胃炎治療薬や消化性潰瘍治療薬を同時に処方されます。
一般的には内服薬が一番多く、次に座薬、外服薬の順です。

ただし、通常であれば五十肩の治療のために消炎鎮痛薬を服用するのは短期間なので、
それほど心配する必要はありません。

・消炎鎮痛薬の注射

痛みが激しい場合、ステロイド薬と局部麻酔薬を混ぜた注射を
患部に直接打つ治療をすることがあります。

ただし、この注射を打ち過ぎると肩関節の腱が切れやすくなる、
という副作用があります。
また、数時間で効果は消えてしまうので、あくまでも一時的だと考えましょう。

●薬物治療法

・痛みが激しい時の薬物治療法

痛みが激しい時は、腕を吊って固定するなどして安静にし、
消炎鎮痛薬や外服薬を使って炎症と痛みを抑えましょう。

腕や肩を使う作業や運動をするのも止めましょう。
約1~2ヶ月で激しい痛みは治まります。

痛みのせいで日常生活に支障が出たり、眠れなかったりする場合は、
座薬を使うと早く効果があらわれます。

痛みが和らいできたら、痛みの激しい時のみ内服薬を飲むようにします。

痛みが無くなり、腕や肩が動かしやすくなったら、
薬物療法を用いる必要はありません。

●体操治療法

肩の痛みが和らいできたら、運動制限がひどくならないように、体操治療法を行います。
体操治療法を行う前は、カイロなどを当てて肩を十分に温めておきましょう。
お風呂上りであれば温める手間もかからないのでオススメ。

また、肩が痛む場合は無理に動かすのはやめましょう。
炎症がさらにひどくなってしまいます。

●その他の治療法

●神経ブロック治療法
神経ブロック療法では、五十肩の痛みを感じる神経に局部麻酔を注射して、痛みを消す治療法です。
ただし、注射なので約2時間で効果は無くなります。
激しい痛みに耐えられない場合に使われることが多く、入院する必要もありません。

●手術
五十肩の症状が重症になったり、短い治療期間で治療させたい場合には、手術を行って治療する方法もあります。
身体への負担が少ない内視鏡を使った手術を行うため、1日から2日の入院をするだけですぐに退院することができます。
全身麻酔をかける必要があるので、心臓病や糖尿病の方は手術を受けられない可能性もあります。

ただし、この手術は五十肩のリハビリを行いやすくするための手術なので、手術だけで完全に治療することはできません。

●切開手術
肩を切開して骨を切除し、五十肩の痛みの原因となっている腱板の動きをよくするための
「肩峰下除圧術」という手術方法があります。
痛みは早く治まりますが、約1週間入院する必要があります。