一般論の中でも、顎関節症と悪い姿勢の関連が指摘されています。
しかし、構造面から考える時には、顎だけでなく身体全体の視点で
顎関節症を見ていきましょう。

●全身のバランスに注目

丸太を縦にキチンと積み重ねると、それだけで自然に立っていられます。
同様に、本来、人間の身体はほぼ骨格だけで姿勢を支える事ができるようになっています。

しかし骨格構造が傾いていると、身体が倒れてしまわないために
常に筋肉が緊張して姿勢を支える必要があり、
その緊張が長時間続くことで血行不良などを引き起こし、
様々な障害を誘発します。

顎関節症の場合も、骨格構造の問題が筋肉の過緊張や顎の歪みを引き起こし、
顎関節症の原因と言われる、食いしばりや歯ぎしり・偏咀嚼・悪い噛み合わせなどを
起こしていると考えられます。

例えば、骨盤が左にズレていると、バランスをとるために頭は反対側に傾きます。
そして、頭が傾いている側はアゴの噛み込みが強くなります。

あご痛と一緒に肩こりや、左右の肩や腰の高さの違いなどを訴える人は多いです。

なぜ食いしばりをしてしまうのか、噛み合わせが悪くなってしまうのか、
問題は顎だけにあるのではなく、その根本的な問題は全身のバランスに注目して
考える必要があります。

『構造のバランスをとる』ことによって、体調を改善することができ、
引き起こされる顎関節症の症状の軽快が期待できると考えられます。

●よい姿勢とウォーキングのススメ

近年は、食習慣や生活習慣の変化のため、顎だけでなく全身が退化しつつある、
と言われています。
歩かない座る生活のために、正しい姿勢を保つための基礎体力が低下しています。
生活環境を昔の生活に戻してしまうことはできませんが、食生活や運動など、
できる範囲での努力をすることは大切です。

正しく立ち方・座り方、無理なくできる運動としてウォーキングがおススメです。
一日30分程度でもいいので、正しい姿勢で無理のない速度で歩く。
正しい姿勢を保つための筋力や基礎体力・心肺機能の維持。
全身の血行もよくなり、気分転換にもなります。
顎関節症に限らず、体調全般を整え健康を保つことに効果があります。